なぜ「青いバラは不可能の代名詞」と言われるように
なったのかご存知でしょうか。それは花の色素のせいなのです。
多くの青い花に含まれる青色色素「デルフィニジン」を、
バラは合成することができません。
それが、青いバラが存在しない最大の理由。
青色色素を作るための遺伝子が、バラにはありませんでした。
そこで私たちは、最先端のバイオテクノロジーを用いて
青色色素を作る力をもった遺伝子をバラに入れ、
青いバラを咲かせることができないかと考えました。
方法は思いついたものの、数万種類の遺伝子から、
青色遺伝子を探し出すことは苦難の連続でした。
ようやく見つけた遺伝子をバラに入れても青くなりません。
様々な種類の花の青色遺伝子を試しましたが、
うまくいきません。
試し続けている間に、10年以上の年月が経っていました。
開発者が「もう無理かもしれない」、そう思ったとき、
彼の子どもたちから、折り紙でつくった
一輪の青いバラを贈られました。
夢はきっとかなう。
彼は新たな気持ちで開発に取り組んだのです。
そしてさらに努力を続け、ようやくパンジーの青色遺伝子で、
青色色素を持つ「青いバラ」を咲かせることができたのです。
「誰も見たことがないなら、見てみたい」という
純粋な夢からスタートしたチャレンジは、
長い年月と様々な試行錯誤、
多くの人の熱い想いに支えられて、
文字通り花開きました。