青いバラの伝説 Legend

BLUE ROSES

Roses red and roses white
Plucked I for my love's delight.
She would none of all my posies-
Bade me gather her blue roses.

Half the world I wandered through,
Seeking where such flowers grew.

青い薔薇

恋人を喜ばせようと僕は摘んだ
赤い薔薇と白い薔薇を。
恋人はどちらの花束も受けとらない‥
彼女は青い薔薇を摘んできてねと言った。

僕は世界の半分をさまよった、
青い薔薇が咲く土地を探して。

ラドヤード・キプリング作
Rudyard Kipling (1865-1936)
橋本槇矩訳

キプリングの詩では、
青いバラは、この世に存在しないもの、
贈るのが不可能なものとして
描かれています。
「恋人」は、あえて不可能を求めて、
「僕」の愛を試そうとしているのです。
ギリシャ神話やアラビアンナイトでは、
青いバラは不在をあらわし、
ロシアのおとぎ話では、
魔女に青いバラを贈ると
願いをかなえてもらえると、あります。
このように青いバラは物語や詩のなかで、
神秘、秘密、愛、永遠の夢などの
象徴として伝えられていました。

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